救急手当 EFRエマージェンシーファーストレスポンス(ダイビングとは別です)

ダイビングの他に救急手当てのご紹介です。
民間企業による救急手当はアメリカでは非常にポピュラーです。救急車も民間経営の場合がほとんどですし、救急手当ての啓蒙・講習も民間主導です。日本の場合は、消防局・日本赤十字社が主導で民営の救急車や救護法はかなり少数です。この差は、救急システムができあがっていく文化と歴史的な背景の差です。アメリカではグッドサマリタン法(良きサマリア人法)と呼ぶ、救急事態発生時には善意があれば誰が何をやっても罪に問われない伝統法があります。

日本では薬事法、医療行為、その他の法律があり、資格を持った人でなければ医療行為はできないという制約があります(応急手当は別です)。阪神大震災の際、外国からの公式レスキュー組織や医師の援助申し入れが多くあったにもかかわらず「日本での医師免許がない」などの理由で援助を拒否したのは良く知られた話です。

サウジアラビアは、アメリカとほぼ同じ内容の救急システムです。簡単な見分け方は、アメリカでは各自が救急手当てを学んで、いざというときは家庭や職場で救急手当てを行いながら病院に搬送するというシステムです、が、日本の場合、各人の医療行為を制限する代わりに救急車がすぐにかけつけられるよう24時間体勢で待機しているというシステムです。サウジアラビアで、いざというときに救急車を待つより、家族が運転して病院に搬送するほうが早いというのは、こういうシステムの違いによるものです。救急車がなかなか来ないサウジは別に怠慢なのでなく、そもそもシステム自体が違うので郷に入っては郷に従え…アメリカと同様に各家庭、職場で救急法を学んでいざというときに備えるのが一番ではないかと思います。

EFR エマージェンシーファーストレスポンスは、アメリカに本社を置く救急手当教授法の会社です。私は今回の一時帰国休暇で、これまでの1次(心肺蘇生法)、2次ケア(出血やショック)、AED(体外式自動除細動機)のインストラクションの他に、子供へのケア(乳児から11歳ぐらいまでの子供)の教授法資格を取得してきました。乳児がのどに異物をはさんで窒息したとき、呼吸停止・心停止したとき、5分を境に生死が決まることが多いです。サウジアラビアで救急車が来るまで待つのは得策ではありません。

良いチャンスだと思います、エマージェンシーファーストレスポンスを受講されてはいかがでしょうか。ダイビングと同様、受講・修了者にはCertificateカードが発行されます。
公式ホームページのURLはこちらです。http://www.emergencyfirstresponse.jp/
同じく子供のためのケアの詳細はこちらです。http://www.emergencyfirstresponse.jp/html/careforchildren.asp

受講に年齢もダイビングの資格有無も制限ありません、どなたでも受講できます。ぜひ、ご検討ください。また、すでにEFRの資格をお持ちのかたも、2年が資格の有効期限です(つねにスキルアップと最新情報を得るため)。2年以内でしたら、更新受講だけで結構ですし、2年を過ぎた方は再受講が必要となりますが、ご相談ください。

家族や職場で、安全のための備えを忘れず。備えあれば憂いなし。さらに、EFRはレスキューダイバーの資格をとるための前条件となっていますので、ダイビングのステップアップにも便利です。