ファーストエイド

今、リヤド空港国内線出発ロビーからです。接続はWI−FIです。


空港についてリムジンから降り、入口に入ろうとしたとき道路わきで口から血をだして、敷石のところでのたうちまわっているサウジの若者を見つけました。ポーターが体をさすって、つれではないサウジ人が2人ばかり横にたっているだけ。野次馬のいないので、今発生したばかりの、、、何だろう交通事故?

こんな警察やセキュリティがうようよいるよう空港の正面なので、だれか来るかと見ても、こういうときに限って警察もだれも無し。すぐポーターとかわって、サウジ人には「すぐ救急車を呼ぶように!」と指示。本人はのたうちまわっているから、脈はある。口から出している泡が出たり入ったりするから呼吸もある。

安静のポーズをとらせようとするんだけど、はげしいけいれんで七転八倒しているので、なにもできない。脊椎の保護で頭のうしろだけ、抱えて(のたうちまわっているから、どのぐらい効果があるか)、出血の管理で体じゅうをみるけど血の出ているようすはない。サウジ人の白いトーブだから血が出ているとすぐわかる。

てんかん、、かなあ。目は完全に白目をむいて大きく開いているし、はやく警察か救急車がこないかなあ、空港なのに何しているんだ。だんだん心配になってくる。そして、おおきなけいれんが何度もあり、黒目が裏返ったまま目がさらに大きく見開き、、末期けいれんそっくりな状態で、そのうちガックリして動かなくなる。もう、ずーっと首で脈を測っているから脈があるのはわかる。脈動は弱くない。息はいびきのように聞こえるからある。のたうちまわらなくなったので、やっと安静のポーズをつくることができた。

これで脈が無かったら死んじゃったかと思うぐらいの迫力です。そのうち、空港の医師とおぼしき白衣の人も警察も来て、引き継ぎました。今頃になって、警察がうようよ。こんなんじゃ、もしテロリストが攻撃しても、絶対にまにあわないぞ。

手を見ると血がべっとり。しまった、バリア(手袋)を忘れていた。つけ忘れていたのじゃなくて、そもそも持ち歩いてなかった。すぐ、トイレで手をあらう。石鹸がないので、たまたま持ち合わせたコルゲート歯磨きで手を洗いました。状況の確認の時、出血していたのは分かっていたけど、持ってなければしかたないよね。

それと、医師への引き継ぎ…、なんにも引き継ぐようなものはなかったです。よく考えると、ずーっと脈をとっていた、と、効果のうすそうな脊髄の保護以外、なにもやってない。

ともあれ、引き継ぐときには割と症状も安定(といっていいのかなあ、よくわからないけど)していたので少し安心です。

エマージェンシーレスポンスが分かっていてよかったです。少なくとも呼吸や脈が止まったらすぐ対応できる状態でつきそっていられたので良かったです。