波について 2

昨日の記事でダイビングを知らない人はよく勘違する…と書きました。
その勘違いのもとをよく考えると、やはり「波の性質」が波以外のものとは大きく違うことですね。

一般的に非ダイバーは波が次々にくるのを見て、「暴風雨」あるいは「川の流れ」を連想します。それで、しっかり腰をおとして、物につかまって、<流れに>耐える…のが良い方法だと判断します。崩れた波はそれで正解です。でも、波は1点で上下運動(振幅運動)しているだけで、流れではないのです。エネルギーの方向はありますが。

良く知られた経験として、石を水溜りに投げて、浮かんでいる葉っぱを輪になった波で動かそうとしても、葉っぱは上下するだけで波に乗って端にススーッとよってくるわけではない…ということです。

だから、流されまいと準備することは得策ではなく、波の性質に従って上下運動することにどう対処するかということが必要になってきます。波が小さければ、つかまってやり過ごすのがいいのですが、昨日の記事の写真ぐらいになると、浮力を確保してBCDにエアを満タンにして、レギュレターをつけて、自分の所在地を見失わないよう、ぶつかったり、からんだりするものがないことに気をつけて、うつぶせ、あるいは仰向けでやりすごすのがいいです。

ただし、サーフは違います。崩れたサーフは波動が流れの運動エネルギーに変換したのもので(保存の法則ね)、波頭がくずれる前は「波」、崩れたら「流れ」です。サーフィンが波頭の上にいつまでも乗ってられるのは流れじゃなく、波の振幅の山に乗っかっているからですが、いったん崩れて白波が立ってしまうと、スーっと流れるかボードから落ちるしかありません。

崩れたサーフに対処するには、私みたいに海水(ミネラルたっぷり?)を飲むと自然にわかるようになるのですが(笑)、そこまでしなくても、「器材を背負っていたら潜る」です。波頭がたつのは水面の上で、水面下はただの水面下です。波を背に潜ってやりすごしましょう。ただし、方向感覚を無くすことがあるので、水底の一点を見て移動しないこと。ただし、つかまらないこと(つかむとさらに揺さぶられるのは崩れてない前の波や次の波があるから)、波のリズムを見て、サーフゾーンから抜け出ましょう。サーフゾーンは10mぐらいの幅です。

どうやってサーフゾーンを抜けてダイビングポイントに到達するかは、ダイビングの前にブリーフィングでよく打ち合わせしておくことです。